任意後見契約

高野義憲

任意後見契約とは、自分が元気なうちに、信頼できる人に、もし将来自分の判断能力が低下した時には後見人として自分に代わって財産管理などをしてもらうことを依頼し、これを引き受けてもらう契約をいいます。任意後見人が代理できる事項の範囲も契約で定めます。

法定の成年後見制度は、本人の意思能力が低下した後に、家族など身内からの申立があって、開始する制度になっています。本人の意思能力に全く問題ない時に、将来自分の意思能力が低下した時には、是非この方に後見人になってもらいたいという要望のある方もいらっしゃると思います。その様な場合に利用できる制度です。

任意後見契約の手続

任意後見契約は、公正証書でしなければならず、契約後、本人と受任者の氏名や代理権の範囲が法務局で登記され、その証明書が発行されることとなります。ただし、この段階では、まだ代理人として行動することはできないことにご注意下さい。任意後見契約は、本人の判断能力が衰えた場合に備えて、あらかじめ結ばれるものですので、将来、本人がそういう状態になって、はじめて契約の効力が生じます。

具体的には、家庭裁判所に対し、本人の判断能力が衰えて任意後見事務を開始する必要が生じたので「任意後見監督人」を選任して欲しい旨の申立てをします。そして、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任すると、そのときから、受任者は「任意後見人」として契約に定められた仕事を開始できるようになります。

なお、任意後見監督人が選任されると、本人と受任者の氏名や代理権の範囲のほか、監督人の氏名等も法務局で登記され、その証明書が発行されることとなります。

任意後見契約の必要書類

本 人 − 印鑑登録証明書,戸籍謄本,住民票
受任者 − 印鑑登録証明書,住民票

任意後見契約の費用

公証役場の手数料 − 1契約につき、1万1000円
法務局に納める印紙代 − 2,600円
法務局への登記嘱託料 − 1,400円
書留郵便料 − 約540円
正本謄本の作成手数料 − 1枚250円×枚数

などで、実費として、約2万円程になります。

任意後見契約の解除

任意後見監督人が選任される前であれば、公証人の認証を受けた書面によっていつでも解除できます。合意解除の場合には,合意解除書に認証を受ければすぐに解除の効力が発生し,当事者の一方からの解除の場合は,解除の意思表示のなされた書面に認証を受け,これを相手方に送付してその旨を通告することが必要です。

これに対して、任意後見監督人が選任された後は,正当な理由があるときに限り,かつ,家庭裁判所の許可を受けて,解除することができます。

 

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